top of page

パーマネントトラベラーは可能か?

パーマネントトラベラー (Permanent Traveler)、またはパーペチュアルトラベラー (Perpetual Traveler)、日本語では永遠の旅行者と言われます。各国を転々としてどこの国にも合法的に税金を支払わないライフスタイルのことです。

生活の拠点は日本以外に移す

パーマネントトラベラーはW.G.ヒルという投資家が提唱したライフスタイルです。

ヒルは下記の5つをポイントにあげていますので、パーマネントトラベラーは現実に可能なのか、このポイントに沿って考えてみます。


1. 国籍のある国

2. 住所のある国

3. ビジネスを行う国

4. 資産運用を行う国

5. 余暇を過ごす国


ある程度条件を絞った方が考えやすいので、日本人が香港に住所を置いたケースで考えます。仕事はインターネットの環境があればどこでもできるというタイプのものがパーマネントトラベラーと相性が良さそうです。


1. 国籍のある国

日本人を前提として話を進めていますので、これは日本です。


2. 住所のある国

香港に住所を置くという前提で話を進めていますので、これは香港になります。


日本の居住者は全世界所得に対して課税されますので、日本の非居住者になることは必須です。日本では居住者・非居住者の判断は状況を総合的に勘案しますので、日本の滞在日数が183日以内であれば日本の非居住者になるというわけではありません。日本の住民票は抜いた方がいいでしょう。

また、日本の非居住者となっても日本源泉所得は日本で課税されます。


住所を置くのは全世界所得に課税する国ではなく、税金がない国または源泉所得のみに課税する国に住所を置きましょう。例えば、香港やシンガポールは源泉所得のみに課税されます。ただし、香港もシンガポールも家賃が高く、駐在員や現地の会社の社員ではなくフリーランスが長期滞在できるビザを取得するのは難しいという難点があります。

また、パーマネントトラベラーとして生活するには銀行口座とクレジットカードが必要かと思いますが、香港の銀行で香港IDを持っていない人が口座を作るのは以前より難しくなっています。


3. ビジネスを行う国

例えばオフショアでの所得に対して法人税のないセーシェル諸島のような国に会社を設立するのもいいかもしれません。実際に仕事をするのはセーシェル諸島である必要はありませんが、一つの国に観光ビザやビザ無しで滞在できる期間は決まってますので複数の国に短期滞在を繰り返すことになるでしょう。売上はセーシェル法人に計上します。


4. 資産運用を行う国

キャピタルゲインに課税されない国または税金がない国を選びます。香港はキャピタルゲインに課税はありません。先ほど出てきたセーシェル諸島やケイマン諸島に法人税はありませんので、そちらに法人を設立してその法人で資産運用という方法もあります。


5. 余暇を過ごす国

これは好きな国で問題ありませんが、あまり長い期間を日本で過ごすのは避けた方が良いと思われます。日本が生活拠点と見做されると日本居住者になってしまうためです。日本の滞在日数が年間で183日以下であっても日本居住者となることがあります。


結論

以上、簡単に説明しましたが人によって最適な方法は異なりますので、他にも色々な方法があると思います。

収入が資産運用のみの人は税金をゼロにすることは可能だと思いますが、現状の税法を考えるとビジネスをやりながら合法的に税金ゼロにすることは簡単ではなさそうです。

それでも、海外に拠点を移すことにより日本の居住者としてビジネスをするよりは税金を減らすことは可能ですので、興味のある方は専門家に相談して見ましょう。お問い合わせ


(参考)国税庁のHPに下記の説明があります。

閲覧数:2,814回
bottom of page