top of page

事業譲渡類似株式とは?

更新日:2023年11月1日

 外国法人が内国法人 (日本の会社) の株式を譲渡した際に、その譲渡益に対して日本で課税されるケースがあります。例えば、その株式譲渡が「事業譲渡類似株式等の譲渡」に該当する場合は日本で課税される可能性があります。

 日本の国内法によると日本国内に恒久的施設を有していない外国法人が日本法人の株式を譲渡した場合、原則、その譲渡益に日本の法人税は課されません。ただし、以下の場合は日本で課税されます。


(1) 株式等を買い集め、特殊関係者への譲渡

(2) 事業譲渡類似株式の譲渡

(3) 不動産関連法人の株式の譲渡

(4) ゴルフ場所有・経営に係る法人の株式の譲渡


 上記の株式譲渡に該当した場合は国内法では課税となります。次に租税条約を確認します。租税条約で非課税となる場合があるためです。


 検討の仕方をチャートにすると下記のようになります。


 

上記の(2) 事業譲渡類似株式の譲渡について香港でよく見かけるケースを使って解説します。

<例> ・香港法人Aは日本法人Bの株式を2017年度に100%取得 ・香港法人Aは日本法人Bの株式100%を2023年度に香港法人Cに売却

・日本法人Bの株式譲渡は上記の(1)(3)(4)には該当しない


事業譲渡類似株式の譲渡とは

以下の2つの要件を満たした場合に事業譲渡類似株式の譲渡に該当します。

a) 譲渡年度から3年以内のいずれかの時において、特殊関係株主等(注) がその内国法人の発行済株式の25%以上を所有

b) 譲渡した年度に発行済株式の5%以上を売却


この例にあてはめると、

a) 香港法人Aは2017年度から100%保有している。

b) 香港法人Aは2023年度に株式を100%を売却。

>>事業譲渡類似株式の譲渡に該当


国内法によると当該株式の譲渡益は日本で法人税が課税されます。次に租税条約を確認します。


(注) 特殊関係株主等とは内国法人の株主等及び当該株主等と同族関係にある者


日港租税条約

日港租税条約の第十三条に譲渡収益について規定されています。租税条約の原文は外務省のサイトを確認してみてください。日・香港租税協定

第十三条の6によると事業譲渡類似株式の譲渡は、譲渡者(この例では香港法人A)が居住者とされる締結者(この例では香港)に課税権があります。

つまり日港租税条約によると、当該株式の譲渡益は日本では課税されません。

第十三条 譲渡収益の6 1から5までに規定する財産以外の財産の譲渡から生ずる収益に対しては、譲渡者が居住者とされる締約者においてのみ租税を課することができる。

結論

租税条約は国内法に優先して適用されますので、当例での株式の譲渡益は日本では課税されません。


租税条約の内容は締結している国により異なりますので、同様のケースでも譲渡者が香港法人でない場合は日本で課税されるケースがあります(例えば上記の例で譲渡者がシンガポール法人であれば日本で課税されます)。租税条約の確認が重要です。



補足

当該株式の譲渡益については香港に課税権があります。株式売却益がキャピタルゲインであれば原則、香港では課税されません。

株式の売却益について2023年1月より施行されたFSIEに照らして課税の可能性について確認する必要があります。

閲覧数:804回

Comments


bottom of page