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カンボジア・香港租税協定(配当等の源泉税率)

10月5日
読了時間: 3分

更新日:10月9日

 カンボジアの会社が香港の会社に対して配当、利子、ロイヤルティ、技術サービス料を支払う時に源泉税を差し引く必要はあるのでしょうか。源泉税率は何%でしょうか。また、逆に香港の会社が支払う場合はどうでしょうか。



香港とカンボジアの間には包括的租税協定があります(2019年署名。香港では2020/21課税年度から、カンボジアでは2020年1月1日から適用)。支払時の源泉税率は、国内法の税率と租税協定の税率のうち低い方になります。


結論:実際に適用される源泉税率

支払の種類

カンボジア法人から香港法人に支払

香港法人からカンボジア法人に支払

配当

10%

0%

利子

10%

0%

ロイヤルティ

10%

4.95%(注1)

技術サービス料

10%

0%

 (注1)一定の場合は香港国内法で16.5%になりますが、協定により上限は10%です。


1. 国内法の源泉税率

支払の種類

カンボジア国内法(非居住者への支払)

香港国内法

配当

14%

なし

利子

14%

なし

ロイヤルティ

14%

4.95%(一定の場合16.5%)

技術サービス料

14%

なし

 カンボジアでは、非居住者に配当、利子、ロイヤルティ、経営指導料・技術サービス料などを支払う際に14%の源泉税がかかります。

香港で源泉税がかかるのはロイヤルティだけです。非居住者が受け取るロイヤルティは、その30%が課税所得とみなされるため、法人なら16.5%×30%=4.95%になります。

ただし、受取人が支払者の関連者で、かつ対象の無形資産が過去に香港で事業を行う者に所有されていたことがある場合は、100%が課税所得とみなされ16.5%になります。


2. 協定上の限度税率

支払の種類

協定の取扱い

配当(第10条)

10%が上限

利子(第11条)

10%が上限(両政府・中央銀行等への支払いは免税)

ロイヤルティ(第12条)

10%が上限

技術サービス料(第13条)

10%が上限

 技術サービス料とは、経営、技術、コンサルティングの役務提供の対価をいいます。


3. カンボジア法人が香港法人に支払う場合

カンボジア国内法の14%より協定の10%の方が有利なので、協定を適用して10%になります。

香港法人がカンボジアの子会社などから経営指導料やコンサルティング料を受け取る場合も、技術サービス料として10%が適用されます。


4. 香港法人がカンボジア法人に支払う場合

香港国内法では、配当、利子、技術サービス料に源泉税はありません。

ロイヤルティは通常4.95%で、協定の10%より有利なので国内法の税率を適用します。16.5%になるケース(関連者間で、香港で所有されていた無形資産に係るもの)では、協定を適用すると上限10%になります。


5. 租税協定を使う際の注意点

  • 受益者要件:協定の軽減税率を使えるのは、受取人がその所得の受益者である場合に限られます。また、協定は各国が租税回避防止のための国内法を適用することを妨げないとされています(議定書第1項)。

  • 居住者証明:香港法人がカンボジアで協定税率10%を使うには、香港の居住者証明書(CoR)を取得し、カンボジア税務総局(GDT)の手続に従って提出する必要があります。→ 香港の居住者証明書(CoR)の取得

  • 香港側の課税:カンボジアで源泉徴収された税は、同じ所得に対する香港の税額を上限に控除できます(第23条)。カンボジアから受け取る配当・利子・ロイヤルティは、香港のFSIE(外国源泉所得免税制度)の対象になり得ます。→ 国外源泉所得の免税制度

  • カンボジア側の課税:カンボジア法人が香港から受け取る所得に香港で課された税は、カンボジアの税額から控除できます(第23条)。

  • 日本との関係:日本とカンボジアの間には租税条約がありません(財務省「我が国の租税条約等の一覧」2026年6月26日現在)。カンボジア法人が日本法人に支払う場合は、国内法の14%がそのまま適用されます。


協定原文

 

※2021年12月のブログ記事の内容を更新

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