香港の会社秘書役 (カンパニーセクレタリー) とは?
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更新日:2026年6月
日本にはありませんが、香港、シンガポール、英国等、多くの国では会社秘書役という会社の機関が存在します。香港ではすべての会社が会社秘書役を任命することが法律で義務付けられています。本記事では、香港の会社秘書役の役割と要件についてご説明します。

1. 会社秘書役とは
香港の会社秘書役は、香港会社条例(Companies Ordinance, Cap. 622)第474条に基づき、すべての香港法人が常時1名を任命しなければならない法定の機関です。会社設立時に登記され、欠員が生じた場合は6か月以内に後任を任命する必要があります。
会社秘書役は会社が会社法その他の規制を遵守するよう、コンプライアンスと法定手続を実務面で担います。
2. 会社秘書役の役割
主な職務は以下のとおりです。
・ 取締役会・株主総会の招集および議事録の作成・保管
・ 会社法で定められた法定登記簿・書類の作成・保管・当局への提出
・ 取締役・株主の変更等、登記事項の変更に関する書類の作成・提出
・ 重要支配者登記簿(Significant Controllers Register, SCR)の作成・維持・更新
重要支配者登記簿(SCR)について
2018年の会社条例改正により、香港の非上場会社(休眠会社を含む)は「重要支配者登記簿(SCR)」を備え置くことが義務付けられました。会社の実質的支配者を記録するもので、近年特に重要性が高まっている会社秘書役の職務です。
・ 重要支配者の特定:直接・間接に株式または議決権の25%超を保有する個人・法人、取締役の過半数を選任・解任する権利を持つ者、その他重大な影響力・支配を及ぼす者を特定します。
・ 備置きと届出:SCRは登記事務所または指定された場所に備え置きます。登記事務所以外に置く場合は、14日以内にNR2フォームで会社登記処(Companies Registry)へ届け出ます。
・ 指定代表者の選任:法執行機関との連絡窓口となる「指定代表者(Designated Representative)」を選任する必要があります。会社秘書役が務めることが多いです。
・ 更新:支配者情報に変更があった場合は、合理的な期間内(通常7日以内)に更新します。
3. 誰が会社秘書役になれるのか
個人・法人のいずれも会社秘書役になれますが、以下の要件があります(非公開会社(Private company)の場合)。
個人の場合
・ 18歳以上の香港居住者であること
・ 取締役が会社秘書役を兼任することも可能。ただし、取締役が1名のみの会社では、その取締役が会社秘書役を兼任することはできません(Cap. 622 第475条)。
法人の場合
・ 香港に登記住所がある会社、または香港で事業を行っている会社であること
・ 会社秘書役サービスを提供する会社は、TCSP(Trust and Corporate Service Provider)ライセンスを保有していること(マネー・ロンダリング及びテロ資金供与(金融機関)条例 Cap. 615に基づく)
4. 会社秘書役は会計事務所等に依頼することが多い
会社のスタッフを会社秘書役に任命することも可能ですが、登記事項の変更書類の作成やSCRの維持・更新など、専門的な実務が多く、慣れていないと負担が大きくなります。また、要件を満たさない法人がサービスを提供することはできません。
そのため、多くの会社は会計事務所や弁護士事務所に会社秘書役業務を委託しています。
会社秘書役に関するご質問は、お問い合わせよりお気軽にご連絡ください。


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