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香港の会社を休眠させる

  • 7月1日
  • 読了時間: 3分

更新日:2026年7月


 現在は香港法人はビジネスを行っていないが、将来またビジネスを始めるかもしれないので会社は残しておきたい、という場合は休眠(dormant)という方法があります。

 ただし、実際にビジネスを行っていないからといって、自動的に休眠会社になるわけではありません。休眠会社になるためには会社登記局(Companies Registry)への届出が必要です。



休眠にできる会社

休眠制度を使えるのは「適格な非公開会社(private company)」に限られます。以下の会社は休眠にできません(会社条例第5(7)条)。

  • 銀行(認可機関)、保険会社

  • SFC(証券先物委員会)のライセンス法人およびその関連会社

  • MPF(強制積立年金)の認可受託者

  • 上記を子会社に持つ会社、または過去5年以内に上記に該当した会社

一般的な事業会社であれば、問題なく利用できます


休眠会社の要件

休眠の状態を保つための条件です。

  • 会社の会計取引(accounting transaction)が発生しない状態であること。つまり、売上・仕入・経費などが発生しない状態です。

  • 銀行口座は閉鎖するのが通常です。受取利息や口座維持手数料も会計取引に該当し、これらが発生すると休眠が外れてしまうためです。

  • 会社秘書役や登記住所など、法律で定められた会社維持に必要な費用は、発生しても問題ありません(会計取引から除外されます)。該当費用の支払いは、休眠中は親会社や取締役などが立て替えて支払うことが多いようです。


休眠会社にする手続き
  • 株主総会の特別決議(議決権数の75%以上)で承認します。

  • 取締役は特別決議後15日以内に特別決議書を会社登記局へ届け出ます(file the special resolution)。専用の様式(フォーム)はなく、特別決議書そのものを提出します。会社登記局が文例を公開しています(文例 A1/A2:A1=書面決議、A2=株主総会での決議)。

  • 会社が休眠会社となるのは、特別決議書が会社登記局に届けられた日(または決議書で指定したそれ以降の日)からです。決議した日ではない点に注意が必要です。

  • 期中に休眠した場合、休眠開始の前日までの期間の監査は必要です。


休眠会社が免除されるもの
  • 定時株主総会(AGM)の開催

  • 年次報告書(NAR1)の提出

  • 監査済決算書の作成義務・監査人の選任


休眠会社でも免除されないもの
  • 会社秘書役

  • 登記住所

  • 商業登記(BR)の更新(会社条例ではなく商業登記条例に基づくもので、休眠中も毎年更新が必要です)

  • 登記住所・取締役・会社秘書役などの変更登記(変更があれば届出が必要です)

  • 法定登記簿(重要支配者登録簿(SCR)等)の維持


税務について

税務申告書(Profits Tax Return)は休眠中にも発行されることがあります。発行された場合は、休眠中である旨を記載してNil(ゼロ)申告します。


注意:会計取引を行うと休眠は外れる

休眠会社が会計取引を行うと、その取引日から休眠の免除は受けられなくなります。さらに、その取引を知っていた(または知り得た)株主と、すべての取締役は、その取引から生じた会社の債務について個人責任を負う可能性があります(会社条例第447(2)条)。休眠中は、うっかり取引を発生させないよう注意が必要です。


休眠会社の終了(事業再開)

事業を再開する(会計取引を行う)場合は、その旨を記載した特別決議(specimen B1/B2)を可決し、会社登記局へ届け出ます。届出日(または会計取引を行った日)から休眠ではなくなり、通常の会社としての義務が復活します。


休眠会社にすると、会社の維持費を抑えることが可能です。ただし、いつビジネスを再開できるのかわからない状態であれば、登記抹消も併せて検討してみることをお勧めします。香港は会社の設立が容易ですので、休眠状態が長く続くのであれば一度登記抹消をし、必要であれば再度香港に会社を作った方がコストが安い場合もあります。


会社の登記抹消や清算については以下のリンクをご参照ください。




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