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香港の給与所得税 (Salaries tax) の申告 [2025/26]

  • 2 日前
  • 読了時間: 5分

更新:2026年6月


香港では個人の所得税は各自が申告を行い納税します。日本のように会社が給与から税金を源泉徴収して納税するシステムではありません。香港の給与所得税申告の流れを見てみましょう。



申告・納税の流れ

給与所得税 (Salaries Tax)は納税まで下記のような流れになります。

課税期間 (税金の計算期間) は4月1日から翌3月31日です。


1. 雇用主支払報酬報告書の提出

2. 税務申告書の提出

3. 課税通知書の受領

4. 納税


雇用主支払報酬報告書 / BIR56A, IR56B

雇用主支払報酬報告書 (BIR56AとIR56B) は英語でEmployer's returnと言います。雇用主が従業員等に支払った報酬、給与、賞与等を税務当局に報告する申告書になります。毎年4月初旬に雇用主に送られてきます。雇用主は原則、発行日から1ヶ月以内に各従業員に支払った給与金額を記載して税務当局に提出します。

IR56Bには従業員への給与等の支払額が記載されており雇用主は税務当局に提出後、コピーを各従業員に渡します。


給与所得税申告書 / BIR60

給与所得税申告書 (BIR60) は毎年5月初旬に送られてきます。従業員は雇用主から受け取ったIR56Bを参考にしてBIR60を記載し、原則発行日から1ヶ月以内に税務当局に提出します。


駐在員の場合、日本でも手当を受け取っている場合が多いかと思います。日本で受領している手当も香港法人への役務提供の対価であれば、香港で申告する必要があります。

 

課税通知書 / Tax Assessment

税額が確定し税務当局から課税通知書が送られてきます。

香港では翌年分の税金を予定納税します。そのため、香港に来て初めて納税する人は2年分の税金 (確定分と翌年分) を払うことになります。逆に香港から日本に帰る時には予定納税分が戻ってきます(帰る時期にもよりますが)。


納税

税金の支払は2回に分けて行います。1回目に支払税額の75%を、2回目に残りの25%を払います。通常1月に1回目の支払い、4月に2回目の支払いを行います。




納税までのスケジュールは、通常はこの表のような感じです。課税通知書の発行の時期は8月より早かったり遅かったりすることもあります。


1回目の税金の支払が遅れると2回目に支払う予定だった分もすぐに支払うことになります。加えて5%のペナルティも課されます。


支払期日から6ヶ月経過すると10%のペナルティになります (未払分+5%のぺナルティの合計に対して10%)。







2025/26の申告期日

2025/26 (2025年4月1日から2026年3月31日の課税年度) の主な申告期日は下記のとおりです。

  • 雇用主支払報酬報告書 (BIR56A/IR56B) の発行:2026年4月初旬(発行日から1ヶ月以内に提出)

  • 給与所得税申告書 (BIR60) の発行:2026年5月4日

  • 給与所得税申告書 (BIR60) の提出期限:2026年6月4日

  • 電子申告 (eTAX) の場合:自動的に1ヶ月の延長

  • 個人事業主の場合:2026年8月4日まで延長

最新の申告期日はIRDのウェブサイトで確認できます。


税額計算(考え方)

(A) 累進税率での計算

  1. 総収入の計算

  2. 総収入 ー 控除額(AllowanceとDeductions) = 課税所得 (Net Chargeable Income)

  3. 課税所得 x 累進税率 = 税額 (A)


(B) 標準税率での計算

  1. 総収入の計算

  2. 総収入 ー 控除額(Deductions) = 純所得 (Net Total Income)

  3. 純所得 x 標準税率 = 税額(B)


税額 (A)税額(B)を比較して小さい金額が税額となる。

この税額から年度によって一定の金額 (2025/26では3,000香港ドル) が減税となる。

減税は税額の一定割合を上限額まで減額するものです。2025/26は税額の100%・上限3,000香港ドル。年度により割合・上限は変わります


税額の計算例

簡単な例で税金を計算してみます。以下の計算で使用している控除額・税率は2025/26 (2025年4月1日から2026年3月31日の課税年度) の数字です。


総収入の計算

ケンシロウさんは既婚者です。配偶者は収入がありません。子供は一人で学生です。ケンシロウさんの給与等は次のとおりです。

項目

金額 (HKD)

給与・ボーナス

600,000

会社が負担する家賃

300,000

会社の支払合計

900,000

会社は家賃も負担していますので、給与・ボーナスと合わせると900,000の支払になります。ただし、会社が家賃を負担している場合は、給与・ボーナスの合計額の10%がみなし家賃 (Rental Value) としてケンシロウさんの収入になります。

•     みなし家賃:600,000 × 10% = 60,000

•     収入の合計:600,000 + 60,000 = 660,000



(A) 累進税率での計算

この収入から控除額 (AllowanceとDeductions) の合計を差し引いて課税所得の金額となります。

項目

金額 (HKD)

収入合計

660,000

MPF強制拠出 Deductions

△18,000

既婚者控除 Allowance

△264,000

子女控除 (1人) Allowance

△130,000

課税所得 (Net Chargeable Income)

248,000

ケンシロウさんの課税所得は248,000香港ドルとなります。


課税所得に累進税率を乗じて税額計算します。

課税所得の区分

税率

税額 (HKD)

最初の 50,000

2%

1,000

次の 50,000

6%

3,000

次の 50,000

10%

5,000

次の 50,000

14%

7,000

残り 48,000

17%

8,160

合計 248,000

 

24,160

累進税率で計算した税額は24,160香港ドルです。


(B) 標準税率での計算

収入から控除額 (Deductions) の合計を差し引いて純所得の金額となります。

項目

金額 (HKD)

収入合計

660,000

MPF強制拠出 Deductions

△18,000

純所得 (Net Total Income)

642,000

ケンシロウさんの純所得は642,000香港ドルとなります。


標準税率は2024/25課税年度から2段階構造となりました。

・純所得の最初の500万香港ドルまでが15%

・500万香港ドルを超える部分が16%


標準税率での税額計算では純所得に税率を乗じます。

純所得の計算では総収入からAllowance(既婚者控除、子女控除)は差し引けません。


標準税率での税額は642,000 × 15% = 96,300香港ドルとなります。


税額の確定

累進税率で計算した24,160香港ドルと標準税率で計算した96,300香港ドルを比較して小さい金額である24,160香港ドルから減税分 (2025/26は3,000香港ドルの減税) を差し引きます。

24,160 − 3,000 = 21,160

結果、最終的な税額は 21,160香港ドル となりました。


税率・控除額についてはIRDが公表している以下のテーブルを参照ください。



2026/27からの控除額の引き上げ

基礎控除等は2025/26時点では据え置きですが、2026/27課税年度から以下のとおり引き上げられます。申告・税額試算の際はご注意ください。

控除項目

2025/26まで

2026/27から

基本控除

132,000

145,000

既婚者控除

264,000

290,000

子女控除 (各人)

130,000

140,000

独身親控除

132,000

145,000

 

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