top of page

シンガポールと香港に租税条約はある?配当等の源泉税率は?

10月6日
読了時間: 3分

更新日:6 日前

 シンガポールの会社が香港の会社に配当、利子、ロイヤルティを支払うとき、源泉税を差し引く必要はあるのでしょうか。源泉税率は何%でしょうか。逆に香港の会社が支払う場合はどうでしょうか。



シンガポールと香港の間に包括的租税協定はありません。そのため、源泉税率はそれぞれの国内法の税率がそのまま適用されます。

締結されているのは、国際運輸業(海運・航空)の所得に関する二重課税防止協定(2003年署名)だけです。


結論:実際に適用される源泉税率

支払の種類

シンガポール法人から香港法人に支払

香港法人からシンガポール法人に支払

配当

0%

0%

利子

15%(注1)

0%

ロイヤルティ

10%(注1)

4.95%(注2)

役務提供の対価

17%(注3)

0%

 (注1)香港法人がシンガポールに事業拠点を持たない場合の税率です。この源泉徴収で課税は完結します。利子については、一定の銀行預金利子や適格債券の利子など、免除されるものがあります。

(注2)受取人が支払者の関連者で、かつ対象の無形資産が過去に香港で事業を行う者に所有されていたことがある場合は16.5%です。

(注3)役務がシンガポール国内で提供された場合だけ対象になります。税率はその年の法人税率(現在17%)で、総額に対してかかります。香港から提供した役務の対価には源泉税はかかりません。


1. シンガポール法人が香港法人に支払う場合

配当には、シンガポール国内法でもともと源泉税がないため、0%です。

利子は15%、ロイヤルティは10%です。協定がないので、この税率から軽減されることはありません。

役務提供の対価は、役務を提供した場所で判断します。香港の社員がシンガポールに出張して作業した部分は17%の源泉徴収の対象です。香港からリモートで提供した部分は対象外です。請求書を作るときは、出張した部分と香港から提供した部分を分けておくと判断しやすくなります。


2. 香港法人がシンガポール法人に支払う場合

香港国内法では、配当、利子、役務提供の対価に源泉税はありません。

源泉税がかかるのはロイヤルティだけです。非居住者が受け取るロイヤルティは、その30%が課税所得とみなされます。法人なら16.5%×30%=4.95%です。

ただし、受取人が支払者の関連者で、かつ対象の無形資産が過去に香港で事業を行う者に所有されていたことがある場合は、100%が課税所得とみなされ16.5%になります。協定がないので、この税率から軽減されることはありません。


3. 協定がないことの影響

  • 源泉税の軽減がない:シンガポールで差し引かれた利子15%、ロイヤルティ10%は、そのまま確定します。

  • 香港での二重課税:シンガポールから受け取る配当・利子・ロイヤルティは、香港のFSIE(外国源泉所得免税制度)の対象になり得ます。免税要件を満たせず香港で課税される場合、FSIE対象所得であれば、協定のない国で課された税についても香港の税額から控除できます。→ 国外源泉所得の免税制度


参考(一次情報)

<参考ブログ記事>



※2021年12月のブログ記事を更新

コメント


bottom of page