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香港でファンドを設立

リミテッド・パートナーシップ・ファンド条例が2020年8月31日に施行され、香港でファンド組成が可能となっています。


香港でPEファンドの組成が可能に

 プライベート・ファンドが香港でリミテッド・パートナーシップの形態で登録できるように、リミテッド・パートナーシップ・ファンド条例(Cap.637)(以下、LPF条例)が、2020年8月31日に施行されました。これまでは香港ではケイマン諸島等の香港外で組成されたPEファンドが取り扱われていましたが、今後は香港で組成されたPEファンドが増えることが期待されています。

 

 リミテッド・パートナーシップ・ファンド(LPF)制度は、アジア地区の富裕層の資産管理の中心地としての香港の地位を向上させることを目的として導入されました。PEファンドやベンチャー・キャピタル・ファンドを含むプライベート・インベストメント・ファンドを香港で設立させて、グレーターベイエリアのイノベーションやテクノロジー分野のスタートアップ企業を含む企業への資本の流入を促すためです。


 LPFは、投資家の利益のために投資を管理する目的で使用されるリミテッド・パートナーシップの形で構成されたファンドです。 LPF制度の下で登録する資格のあるファンドは、ファンドの債務と負債に関して無限責任を負うジェネラル・パートナーと、出資額を限度とする有限責任を負うリミテッド・パートナーによって構成されます。


LPFとして登録されるための条件


1. リミテッド・パートナーシップ契約に基づいて構成されている。


2. GPが1名、LPが1名以上いること。

  •  GPは、自然人、香港法人、または香港で登録された海外法人である。香港以外のリミテッドパートナーシップも、法人格の有無に関わらず、GPになることができます。

  •  LPは、自然人、法人、パートナーシップまたはその他の事業体でなければなりません。

3. 一定の条件を満たさない限り、同一の企業グループ内の法人のみでパートナーを構成しないこと。


4. 香港に登録事務所を有していること。


5. 英語名、中国語名、または英語名と中国語名の両方を含む名前を持つこと。名称には、「Limited Partnership Fund」または「LPF」、中国名の場合は「有限合伙基金」の文字が含まれていること。


税務上のメリット


 LPFは特定の取引(株式取引、債券取引、先物取引、外貨為替取引等)から生じる利益は非課税となっています。非課税となる取引についての詳細はDIPN61のパラグラフ72をご参照ください。


 また、香港で組成するファンドは設立、維持のコストがケイマン諸島で組成されたファンドよりも安いという利点があり、香港組成のファンドが増えてきています。


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