マカオ法人に監査は必要か|毎年の必須手続まとめ
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マカオに法人を設立したあと、毎年何をする必要があるのか。監査は必要?グループBに分類される法人であれば監査は不要です。

登記所に毎年提出する年次報告書はない
香港では毎年、会社登記局(Companies Registry)へ年次報告書(NAR1)を提出し、税務局(IRD)へ商業登記(BR)の更新料を払います。
マカオの商業登記所(商業及動產登記局)に毎年提出する年次報告書のようなものはありません。登記所へ申請するのは、取締役の変更、住所の変更、資本の増減、解散といった登記事項に変更が生じたときだけです。
毎年やることは財政局(DSF)に対する税務申告だけです。
年間カレンダー
時期 | 手続 | 対象 |
1月〜2月 | 職業税 (個人所得税) 従業員名簿(M3/M4) | 全法人 |
1月〜3月 | 所得補充税 (法人税) Bグループ 収益申告書(M/1) | グループB法人 |
2月または3月 | 営業税の納付 | 全法人 |
4月〜6月 | 所得補充税 (法人税) グループA 収益申告書(M/1) | グループA法人 |
9月または11月 | 所得補充税の予定納付(1回または2回) | 課税額がある場合 |
以下、それぞれ見ていきます。
営業税(Imposto Industrial)
マカオで商工業活動を行うには、まず財政局に業種の登録を行う必要があります。営業税は、この登録に対して課される年額の固定税で、性格としては事業登録の手数料に近いものです。
税額は業種ごとに定められており、営業税規則の付表I(活動一覧表)に記載されています。納付時期は、開業時は開業前、以後は毎年2月または3月です。
なお、営業税を納付したこと自体は営業許可を意味しません。許認可が必要な業種であれば、納税後に別途ライセンスの申請が必要になります。
なお、制度上は毎年納付時期が定められていますが、マカオ政府の毎年の予算案により、長年にわたって営業税の支払いは実質的に免除(一時停止)され続けています。ただし、免除下であっても事業者登録自体は必須となります。
職業税の従業員名簿(従業員がいなくても提出)
雇用主は従業員登録簿を備え、毎年1月・2月に財政局へ従業員名簿を提出します。書式はM3とM4に分かれ、常用の従業員と日雇いの労働者に対応します。
従業員を雇用していない会社も提出対象です。財政局は従業員のいない事業者向けの提出方法として、窓口の自動受付機を用意しています。従業員が20人以下で、現物給与や課税対象となる収益がない場合は、「Macau Tax」アプリからも提出できます。
所得補充税(Imposto Complementar de Rendimentos)
いわゆる法人税です。グループAとグループBに分かれます。
グループAに該当するのは、資本がMOP 1,000,000以上、または直近3年の平均課税所得がMOP 1,000,000以上の会社です。加えて、多国籍企業グループの最終親会社にあたる会社も規模にかかわらずAグループに分類されます。
グループAは、会計帳簿に基づく実際の利益で課税されます。収益申告書(M/1)の詳細版に記入し、マカオの登録会計士の確認と署名を受けて提出します。
会計士に求められているのは申告書の確認であって、監査報告書ではありません。詳細版の申告書が営業収益・費用の内訳を含み、監査報告書に相当する情報を備えているためです。別途の監査報告書は必須ではなく、必要に応じて依頼することはできます。
グループBは、グループAの基準に該当しない事業者です。財政局が推定した利益に基づいて課税されるため、会計士による確認は不要で、収益申告書の簡易版を提出します。
マカオでは毎年の予算案により非課税枠(近年は課税所得60万マカオパタカまで免税など)が設定されることが多く、利益が一定水準を下回る場合は法人税が無税となるケースが一般的です。これはグループA、グループBのどちらの法人でも受けることができます。
損益計算書を承認する株主決議は、A・B両グループとも必要です。グループAの場合は、この決議を申告書とともに提出します。
納付は予定納付として、翌課税年度の9月または11月に1回または2回に分けて行い、最終的な税額は査定を経て確定します。
なお、2026年から、グループBの収益申告書の提出期間は従来の2月〜3月から1月〜3月に変更されています。1か月前倒しになりました。グループAの提出期間は4月1日〜6月30日です。
従業員を雇用している場合に追加で発生するもの
上記に加えて、次の手続が発生します。
従業員の登録届出(M/2) — 雇用日から15日以内に提出します。登録済みの従業員情報に変更が生じた場合も、発生日から15日以内に提出が必要です。
職業税の源泉徴収 — マカオの職業税は源泉徴収方式です。従業員の給与が免税額を超える部分について雇用主が控除し、1月・4月・7月・10月の各月最初の15日以内に、前四半期分を納付します。
なお、マカオで就労する非居住の専門家・技術者については、報酬が免税額に達していなくても最低5%の源泉徴収が必要とされています。日本から人員を派遣している場合は注意が必要です。
M/5は個人が提出する収益申告書で、会社が提出するものではありません。
香港との比較
香港 | マカオ | |
会社登記の年次手続 | 年次報告書(NAR1) | なし |
事業登録 | 商業登記(BR)を毎年更新 | 営業税を毎年2月または3月に納付 |
法人所得税の申告 | 利得税申告書(PTR) | 所得補充税の収益申告書(M/1) |
監査 | 原則として毎年必要 | グループBは不要、グループAは会計士の確認が必要 |
雇用主の年次報告 | BIR56A・IR56B | 職業税の従業員名簿(M3/M4) |
給与からの源泉徴収 | なし | あり(四半期ごとに納付) |
マカオのグループB法人には監査義務がありません。また、マカオには給与の源泉徴収があります。前者は維持コストを下げる方向に、後者は毎月・四半期の実務負担を上げる方向に働きます。
まとめ
マカオでは登記情報に対する年次手続がなく、変更があったときに提出
職業税の従業員名簿は1月〜2月。従業員がいなくても提出が必要
所得補充税グループBの収益申告書は、2026年から1月〜3月(従来は2月〜3月)
グループBは会計士の確認が不要
損益計算書を承認する株主決議は、A・B両グループとも必要
従業員がいる場合は、四半期ごとの職業税の源泉納付が加わる
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の案件については別途ご相談ください。


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