香港での脱税に対する重いペナルティ(実際の事例)
- 6月4日
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更新日:6月4日
香港は日本と比べて税務局の調査が厳しくない、という印象をお持ちの方は少なくありません。しかし「これくらいなら指摘されないだろう」という安易な処理には大きなリスクがあります。意図的な脱税に対しては罰金だけでなく経営者個人への実刑(禁錮刑)まで科される可能性があります。経営陣が実刑判決を受けた具体的な事例をご紹介します。

印刷会社の売上隠蔽事件
香港税務局(IRD)が公表した、ある印刷会社とその経営陣(取締役とマネージャーの夫婦)に対する事案です。会社への罰金だけでなく、経営陣個人に対して執行猶予のつかない即時禁錮刑(実刑)が科されました。
不正の手口
取締役が、休眠会社の銀行口座を使って、顧客からの売上を受け取った。
受け取った売上のうち一部だけを印刷会社の口座に入金し、残りを夫婦の個人口座に移していた。
印刷会社の口座への入金額と帳簿を整合させるため、元のデビットノートの売上額を改ざんし虚偽のデビットノートや領収書を作成した。
その虚偽記録を会計士に渡して財務諸表を作成させ、減額された売上だけをIRDに申告した。
2006/07年度から2009/10年度までの4年間で、過少申告された売上額は約1,287万香港ドル (約2億5千万円)、脱税額は合計約196万香港ドル (約3千9百万円) にのぼった。
ペナルティ (判決)
被告らはいずれも無罪を主張しましたが、裁判を経て、故意による脱税など合計11件の罪で有罪となりました。判決の内容は以下のとおりです。
会社:罰金20万香港ドルに加え、脱税額の50%に相当する約98万香港ドルの追加罰金。
取締役(夫):即時禁錮24か月(2年)の実刑、および脱税額の50%に相当する約98万香港ドルの罰金。
マネージャー(妻):即時禁錮12か月(1年)の実刑。
※出典:香港税務局(IRD)プレスリリース 2023年7月10日付(原文はこちら)
事例から見る留意事項
1. 経営者個人への刑事罰のリスク
香港の税務条例(IRO)は、意図的な脱税に対して厳しい刑事罰を定めています。偽造書類の作成など「悪質(意図的)」と判断された場合、過少申告分の税金を納めるだけでは済まず、経営者個人が実際に収監される(禁錮刑)ケースが現実に存在します。
この事例でも、取締役に24か月、マネージャーに12か月の即時禁錮(実刑)が科されました。会社への金銭的なペナルティだけでなく、経営者個人が自由を失うという結果になっています。
IROでは脱税は刑事犯罪とされ、1訴因あたりの最高刑は禁錮3年、罰金5万香港ドル、さらに脱税額の3倍の罰金とされています。
2. 休眠口座や別名義口座も監視されている
この事件では休眠会社の口座が売上隠蔽に使われましたが、「休眠会社の口座だから見つからない」わけではありません。
まとめ|健全な会計・監査体制が経営者を守る
香港でビジネスを安定して継続するためには、健全なガバナンスとクリーンな会計・監査体制を維持することが不可欠です。節税(合法的な税負担の軽減)と脱税(違法な所得隠し)の境界を正しく理解し、適切な記帳・申告を行うことが、結果として最大のリスク管理になります。
Donnect(ドネクト)は香港の日系会計事務所です。香港法人の記帳、決算、監査、税務申告などのコンプライアンス対応でお困りの方は、お気軽にご相談ください。 >>お問い合わせ



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