香港法人から日本法人へのサービス提供|源泉税・消費税の判定マトリクス
香港法人が日本法人にサービスを提供するとき、サービスの内容や提供方法によっては、日本で源泉税や消費税の対応が必要になります。よくある取引を4つのパターンに分けて整理します。

日本の源泉税(所得税)と消費税の取扱いを、取引のタイプ別にまとめると次のとおりです。
取引のタイプ(具体例) | 源泉税(所得税) | 消費税 |
① インターネットを通じて提供するサービス 業務システム・サーバーの利用料、アプリ・電子書籍・動画の配信、会員制サイト、オンライン講座、オンラインでの継続的なコンサルなど | 不要 国内源泉所得に当たらないため。 | 電気通信利用役務(国内取引10%)
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② 成果物納品型のリモートまたは香港で提供するサービス 翻訳、デザイン、海外市場調査など | 不要 香港で完結する役務は国内源泉所得に当たらないため。 | 不課税 役務の提供地が国外(香港)のため。成果物をネットで納品するだけでは、電気通信利用役務には当たらない。 |
③ スタッフが来日するサービス 日本国内でのコンサル、技術指導など | 原則20.42%を徴収 国内での人的役務提供事業の対価に当たるため。香港法人が日本にPE(恒久的施設)を持たなければ日港租税協定により免除されるが、そのためには支払日の前日までに「租税条約に関する届出書」の提出が必要(未提出の場合はいったん徴収し、還付請求)。 | 国内取引(10%) 香港法人が納税義務者。香港法人が免税事業者でインボイス未登録の場合、日本法人の仕入税額控除は経過措置による一部控除にとどまる。 |
④ ライセンスの提供 著作権、特許、ノウハウ | 原則20.42%を徴収 日本国内の業務で使用されれば、リモートでも「使用料」に当たる。日港租税協定の届出により5%に軽減(復興特別所得税は上乗せされない)。 | 権利の種類で判定
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実務上の重要ポイント
源泉税:国内で役務を行うか、使用料に当たるか
香港法人のスタッフが日本に来ず、ライセンスの提供も伴わないサービス(①②)であれば、原則として源泉徴収は不要です。源泉徴収が問題になるのは、来日して役務を提供する場合(③)と、対価に使用料の要素が含まれる場合(④)です。いずれも、日港租税協定の届出書を支払日の前日までに提出すれば、免除または5%への軽減を受けられます。
消費税:「リモートだから対象外」とは限らない
消費税では、インターネットを通じて提供される役務(電気通信利用役務)は、提供を受ける側の所在地で判定します。そのため、香港法人が提供するサービスでも日本の消費税の対象になり得ます。同じリモートの業務でも、成果物をネットで納品するだけ(②)であれば不課税ですが、オンライン講座やオンラインでの継続的な助言(①)は課税対象になります。
インボイス制度との関係
消費税の対象となる取引のうち、①の一般向けサービスと③で香港法人がインボイス登録をしていない場合、日本法人側の仕入税額控除が制限されます(①は原則として控除不可)。
根拠規定
所得税法161条1項6号・11号、212条/消費税法2条1項8号の3・8号の4、4条3項、5条/消費税法施行令6条/日本と香港の租税協定7条・12条



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