日本とBVIに租税条約はある?配当等の源泉税率は?
BVIの会社が日本の会社に対して配当、利子、ロイヤルティを支払う時に源泉税を差し引く必要はあるのでしょうか。源泉税率は何%でしょうか。また、逆に日本の会社が支払う場合はどうでしょうか。

日本とBVIの間に包括的な租税条約はありません。あるのは租税情報交換協定(2014年署名・発効)だけで、源泉税を軽減する規定はありません。そのため、支払時の源泉税率は支払国の国内法の税率になります。
結論:実際に適用される源泉税率
支払の種類 | BVI法人から日本法人に支払 | 日本法人からBVI法人に支払 |
配当 | 0% | 20.42%(注1) |
利子 | 0% | 20.42%(注2) |
ロイヤルティ | 0% | 20.42% |
(注1)上場株式等の配当は15.315%です。
(注2)預金・社債の利子は15.315%です。
1. 国内法の源泉税率
支払の種類 | BVI国内法 | 日本国内法 |
配当 | なし | 20.42%(上場株式等は15.315%) |
利子 | なし | 20.42%(預金・社債は15.315%) |
ロイヤルティ | なし | 20.42% |
BVIには所得税がありません(所得税法自体は残っていますが、税率はゼロに設定されています)。そのため、BVI法人が支払う配当・利子・ロイヤルティに源泉税はかかりません。
2. 日本・BVI租税情報交換協定
日本とBVIの間にある協定は、両国の税務当局が税務情報を交換するためのものです。配当・利子・ロイヤルティの源泉税を軽減する条文はありません。
BVIはどの国とも包括的な租税条約を結んでおらず、結んでいるのは情報交換協定だけです。
日本とケイマン諸島の関係も、これとよく似ています。日本とケイマンの間にも包括的な租税条約はなく、あるのは情報交換協定だけで、ケイマン側の源泉税もありません。違いは、日本・ケイマン協定には個人所得の二重課税回避に関する規定が一部あることです。→ 日本・ケイマン租税協定
3. BVI法人が日本法人に支払う場合
BVI国内法では、配当・利子・ロイヤルティの源泉税は 0%です。
租税条約がなくても、軽減する源泉税がもともとないため、条約がないことによる不利益はありません。
4. 日本法人がBVI法人に支払う場合
租税条約による軽減がないため、日本の国内法の税率がそのまま適用されます。配当・利子・ロイヤルティとも原則20.42%です。
日本法人が香港法人に支払う場合は日本・香港租税条約により源泉税が軽減されますが、BVI法人に支払う場合は軽減されません。→ 日本・香港租税条約の源泉税率
5. 注意点
日本側の課税:BVIで課税されなくても、受け取った所得は日本で課税されます。日本法人が受け取る配当は、持株割合25%以上・6か月以上保有であれば外国子会社配当益金不算入制度の対象となり、95%が益金不算入になります。
タックスヘイブン対策税制:日本の居住者や内国法人が支配するBVI法人は、所得が日本で合算課税される可能性があります。合算課税済みの所得から配当を受ける場合は、二重課税の調整があります。→ タックスヘイブン対策税制の概要 1 (趣旨)
情報交換:情報交換協定に加えて、CRS(共通報告基準)により金融口座情報が日本の税務当局に自動的に提供されます。



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